「思ってたのと違う…」を防ぐ、若手採用の最初の一手
- あたけ

- 4月3日
- 読了時間: 4分
4月になると新入社員の雇い入れをする企業が増えますね。採用に係るお手続きのご依頼も増える時期に入ります。そんな中、
「そんなの聞いてなかった」「条件と違う気がする」
と時間をかけて採用したものの、すぐに退職してしまうケースも多いです。
実は“教え方”より前に、労働条件や運用ルールの認識ズレから始まることも多いです。
ズレが一度生まれると、不信感が残りやすく早期退職の引き金にもなります。
そこで今回は、新卒〜第二新卒など“今どきの若手”を迎えるときに、入社前〜初日にやっておきたい「最初の一手」を、社労士目線でコンパクトにまとめます。
1. まずは“約束”を紙にする(口頭だけは危険)
若手ほど、あとから見返せる材料があると安心します。「言った/聞いてない」を防ぐ意味でも、最初に書面で渡すのが基本です。
最低限、次の項目は“書いて渡す”のがおすすめです。
雇用形態、契約期間の有無
仕事内容・就業場所(変更の可能性があるなら範囲も)
所定労働時間、休憩、休日
残業の扱い(申請の有無、残業代の計算)
賃金(基本給・手当・締日/払日)
試用期間の有無と内容
会社としては当たり前でも、本人には初めてだらけ。“当たり前”こそ書いておくと、後々トラブルにならないための安心材料になります。
2. 若手が一番引っかかるのは「残業・休日・休憩」
ここは、説明がざっくりだと不安が残ります。
たとえば、こんな言い回しは誤解を招きやすいです。
「残業はそんなにないよ」
「休日出勤はたまにある」
「休憩は適宜」
おすすめは、運用ベースで具体的に伝えること。
忙しい時期(繁忙期)がいつ頃か
残業が発生しやすい日・部署があるか
休日出勤がある場合、代休・振休はどうするか
休憩は「何時〜何時」「外出OKか」「ずらせるか」
“現実”を伝えるのは怖い…と思うかもしれませんが、後から「聞いてない」の方が、もっとこじれます。
3. 給与は「金額」より「見え方」でズレる
若手がモヤっとしやすいのが、給与明細の見え方です。
手当の意味(固定残業代、職務手当、通勤手当など)
控除(社会保険料・雇用保険料・所得税)
締日/支払日(初月の支給が少なく見えるケースも)
とくに入社初月は、「思ったより少ない…」→「条件と違う?」となりやすいです。
初回給与の前に、一言だけでも伝えると効果があります。
例:「初月は日割りになります」「社会保険料が控除されます」など。
4. 試用期間は“何が変わるか”を先に言う
試用期間がある会社は多いですが、ここも誤解が起きがちです。
期間(例:3か月)
何を見ているか(勤務態度、勤怠、報連相など)
フィードバックのタイミング(いつ話すか)
ポイントは、「試用期間=様子見」ではなく、会社も本人も“すり合わせをする期間”だと伝えること。
「できないことがあっても大丈夫。早めに相談して一緒に整えよう」この一言があるだけで、構え方が変わります。
5. 勤怠ルールは“実演”が最強(トラブル予防の即効薬)
遅刻・欠勤・打刻ミスは、悪意ではなく「分からない」が原因なことがほとんどです。だからこそ、初日に数分でいいので“実演”がおすすめです。
打刻方法(スマホ?PC?直行直帰は?)
遅刻・欠勤の連絡は「誰に/何時までに/どうやって」
残業する時の手続き(申請・承認の流れ)
ルールが曖昧だと、会社側も注意しづらくなります。最初に型を作るのが、いちばん平和です。
6. 仕上げの一手:「今日の説明、どこが不安でした?」を聞く
最後にこれだけ入れると、ズレの芽を摘めます。
「今日の説明で、分かりにくかったところありますか?」「条件面で、気になった点はありますか?」
若手は遠慮して、分からなくても頷いてしまいがち。質問が出ないときほど、こちらから聞いてあげるのがコツです。
若手定着のスタートは、華やかな制度よりも、“約束が見える”ことと、“ズレが放置されない”ことだったりします。
雇用契約書・労働条件通知書の整備、試用期間の運用設計、勤怠・残業ルールの整理など、貴社の実態に合わせた形への落とし込みも可能です。
気になる点があればお気軽にご相談ください。

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