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労務管理で整えておきたい「法定4帳簿」とは

  • 執筆者の写真: あたけ
    あたけ
  • 7月2日
  • 読了時間: 4分

会社が従業員を雇用する場合、給与を支払うだけでなく、労務管理に関する一定の書類を作成・保存しておく必要があります。


その代表的なものとして、以前から「法定三帳簿」と呼ばれているものがあります。

それは、労働者名簿】、【賃金台帳】、【出勤簿】の3つです。


さらに、働き方改革関連法により、年次有給休暇の取得状況を管理するための

【年次有給休暇管理簿】も作成・保存が必要となりました。


そのため、実務上はこれらをまとめて「法定4帳簿」と呼ぶことがあります。

今回は、労務管理で整えておきたい「法定4帳簿」について、概要を確認していきます。


1. 労働者名簿

労働者名簿は、従業員の氏名、生年月日、住所、雇入年月日、退職年月日などを記録する帳簿です。

いわば、会社で働く従業員の基本情報を管理するための書類です。


正社員だけでなく、パート・アルバイトであっても、労働基準法上の労働者に該当する場合は作成が必要です。


労働者名簿は、入社時に作成して終わりではなく、住所変更や氏名変更、退職などがあった場合には、内容を更新しておくことが大切です。


2. 賃金台帳

賃金台帳は、従業員ごとの給与支払い状況を記録する帳簿です。

氏名、労働日数、労働時間数、時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数、基本給や各種手当、控除額などを記載します。


給与明細を発行しているから大丈夫と思われることもありますが、給与明細と賃金台帳は役割が異なります。


給与明細は従業員に交付するものですが、賃金台帳は会社が労務管理上、作成・保存しておくべき帳簿です。


特に、残業代の計算や最低賃金の確認、社会保険・労働保険の手続き、労働基準監督署調査などでも確認されることがあります。


3. 出勤簿・勤怠記録

出勤簿は、従業員の出勤日、始業・終業時刻、休憩時間、欠勤、遅刻、早退、時間外労働などを確認するための記録です。

最近では、紙の出勤簿ではなく、勤怠システムやタイムカード、クラウド上の勤怠データで管理している会社も多くなっています。


名称としては「勤務表」と呼ばれることもありますが、労務管理上は「出勤簿」や「勤怠記録」と表現すると分かりやすいです。


労働時間は、残業代の計算や36協定の時間管理にも直結します。

そのため、「何時から何時まで働いたのか」「休憩は取れているのか」「法定労働時間を超えていないか」を確認できる状態にしておくことが重要です。


4. 年次有給休暇管理簿

年次有給休暇管理簿は、従業員ごとに年次有給休暇の取得状況を管理するための帳簿です。

記載が必要な主な項目は、

  • 基準日

  • 取得日数

  • 取得時季

です。


年次有給休暇を与えた場合には、これらの内容を労働者ごとに明らかにした書類を作成し、保存する必要があります。年次有給休暇管理簿は、労働者名簿や賃金台帳とあわせて作成することも可能です。


また、年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員については、会社に年5日の取得義務があります。

そのため、単に「残日数を管理している」だけではなく、誰が、いつ、何日取得したのかを確認できる状態にしておくことが大切です。


保存期間にも注意

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などの労働関係書類については、労働基準法上、保存義務があります。

現在、労働関係書類の保存期間は原則5年とされていますが、経過措置により、当分の間は3年とされています。

厚生労働省のQ&Aでも、労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・賃金その他労働関係に関する重要な書類について、保存期間が5年に延長されたものの、経過措置として当分の間は3年と説明されています。


年次有給休暇管理簿についても、年休を与えた期間中およびその期間満了後、保存が必要とされています。こちらも当分の間は3年間保存とされています。


実務上は、後からトラブルや確認が生じることもあるため、最低限の保存期間だけでなく、余裕をもって管理しておくと安心です。


法定4帳簿が整っていないと困る場面

法定4帳簿は、日常業務の中ではあまり意識されないこともあります。


しかし、労働基準監督署の調査、残業代や労働時間に関する確認、年次有給休暇の取得状況の確認、労働保険・社会保険の手続き、従業員との労務トラブルなど、さまざまな場面で確認が必要になります。


特に、勤怠記録や賃金台帳が整っていない場合、実際にどのような勤務をしていたのか、正しく賃金を支払っていたのかを会社側が説明しにくくなってしまいます。


帳簿は「作っておけばよい」というものではなく、実態に合った内容で、必要なときに確認できる状態にしておくことが大切です。


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