算定基礎届とは?社会保険料を決めるための大切な手続きです
- あたけ

- 6月22日
- 読了時間: 4分
毎年7月は、社会保険に加入している事業所において「算定基礎届」の提出時期となります。
『算定基礎届』とは、健康保険・厚生年金保険の保険料計算の基礎となる「標準報酬月額」を見直すための届出です。
社会保険料は、毎月の給与額そのものに料率を掛けて計算するのではなく、給与額を一定の等級にあてはめた「標準報酬月額」をもとに計算されています。
そのため、実際の給与額と標準報酬月額に大きなズレが出ないよう、毎年1回、4月・5月・6月に支払われた給与をもとに見直しを行います。これを「定時決定」といいます。
【提出時期】
算定基礎届は、原則として毎年7月1日から7月10日までの間に提出します。
提出後に決定された標準報酬月額は、原則としてその年の9月分から翌年8月分までの社会保険料計算に使用されます。
【どの給与をもとに計算するのか】
算定基礎届では、原則として4月・5月・6月に支払われた給与を記載します。
ここで注意したいのは、「何月分の給与か」ではなく、「何月に支払われた給与か」を見るという点です。
たとえば、月末締め・翌月25日払いの会社であれば、4月に支払われた給与は3月勤務分であっても、算定基礎届では4月支給分として扱います。
記載する報酬には、基本給だけでなく、残業手当、通勤手当、役職手当、資格手当など、労働の対償として支払われるものを含めます。
【支払基礎日数にも注意】
算定基礎届では、4月・5月・6月の各月について「支払基礎日数」も確認します。
月給者の場合は、暦日数を支払基礎日数とするケースが多く、欠勤控除がある場合などはその取扱いに注意が必要です。
パート・アルバイトなど時給者・日給者の場合は、実際の出勤日数や有給休暇日数などをもとに支払基礎日数を確認します。
原則として、支払基礎日数が17日以上ある月を対象に平均額を計算します。短時間労働者などは別の基準となる場合がありますので、雇用形態ごとの確認が必要です。
【中途入社の場合】
4月・5月・6月の途中で入社した従業員については、入社月の給与が1か月分まるまる支払われていないことがあります。
たとえば、月の途中入社で日割り給与となっている場合、その月を単純に平均へ含めると、本来の給与水準より低く算定されてしまう可能性があります。
そのため、中途入社者については、支払基礎日数や給与の支給状況を確認し、算定対象に含める月・含めない月を判断する必要があります。
なお、6月1日以降に資格取得した方は、原則としてその年の算定基礎届の対象外となります。
【休職中・休業中の場合】
4月・5月・6月の間に休職や休業がある場合も注意が必要です。
休職により給与が支払われていない月、休職給のみが支払われている月、休業手当が支払われている月などは、通常の給与が支払われている場合と扱いが異なることがあります。
特に、休職給が低額である場合や、一時帰休による休業手当が支払われている場合は、通常の方法で算定すると実態と合わないことがあります。
そのため、休職・休業がある従業員については、給与の支給内容を確認したうえで、備考欄への記載や算定方法の確認が必要です。
【7月・8月・9月に月額変更届の対象となる場合】
算定基礎届の時期には、月額変更届との関係にも注意が必要です。
固定給の変更などにより、7月・8月・9月に月額変更届の対象となる場合は、算定基礎届による標準報酬月額ではなく、月額変更届による標準報酬月額が優先されます。
たとえば、4月に昇給があり、4月・5月・6月の給与をもとに7月月変に該当する場合は、算定基礎届ではなく月額変更届の内容が優先されます。
また、8月・9月に月額変更予定の方については、算定基礎届の提出時に「月額変更予定」として処理するケースもあります。
算定基礎届の作成時には、単に4月・5月・6月の給与を入力するだけでなく、固定給の変更がなかったか、月額変更届の対象者がいないかもあわせて確認することが大切です。
【まとめ】
算定基礎届は、毎年行う定例の手続きですが、内容を誤ると、その後1年間の社会保険料に影響する可能性があります。
特に、次のようなケースは注意が必要です。
・4月から6月の間に入社した従業員がいる
・休職中、育児休業中、休業中の従業員がいる
・パート、アルバイトなど勤務日数が少ない従業員がいる
・昇給、降給、手当の変更があった従業員がいる
・7月、8月、9月の月額変更届に該当しそうな従業員がいる
算定基礎届は、給与データを転記するだけの手続きに見えますが、実際には確認すべきポイントが多い届出です。
算定基礎届の作成や、月額変更届に該当するかどうかの確認でお困りの場合は、社会保険労務士へご相談ください。

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