【産休・育休 会社対応まるわかり(全3回)】②産前産後休業と出産手当金「会社が詰まりやすいポイントは、これだけ押さえればOK」
- あたけ

- 2月14日
- 読了時間: 3分
産休(産前産後休業)と出産手当金は、制度自体はシンプルに見えて、実務では「思ったより確認事項が多い」「社内の説明がブレる」ことで詰まりがちです。
今回は中小企業の社長・事務担当の方向けに、“これだけ押さえればOK” を優先して整理します(細かな例外や要件の深掘りはしません)。
1. まず結論:会社が押さえるのは「期間」「お金」「手続き」の3点
産休対応で会社が迷うのは、結局この3つです。
いつからいつまで休める?(期間)
給与はどうなる?給付は何?(お金)
会社は何を出す?誰が何をする?(手続き)
ここを先に社内で揃えるだけで、相談が来たときの初動がスムーズになります。
2. 産前産後休業:期間は“出産日”を中心に考える(基本日数)
産前産後休業(いわゆる産休)は、出産を挟んだ休業です。まず、会社側が押さえる基本日数は次のとおりです。
産前休業:出産予定日(出産日)以前42日(6週間)(多胎妊娠の場合:98日(14週間))
産後休業:出産日の翌日から56日(8週間)
※補足:産後8週間は原則として就業させられません。例外的に、産後6週間を過ぎて本人が就業を希望し、医師が支障なしと認めた業務に限り就業できるケースがあります。
ここで重要なのは、「出産予定日」ではなく、最終的に基準になるのは“出産日”ということです。
出産前の産休(産前)は、予定日を基準に話が始まりますが、出産が早まったor遅れた場合は、休業の組み立ても動きます。
出産後の産休(産後)は、原則として一定期間はしっかり休む設計です(体の回復のため)。
3. 出産手当金:会社が説明しすぎない方がうまくいく(目安は2/3程度)
出産手当金は、健康保険から支給される給付です。
会社側が詰まる典型は、“いくら出るか”を断言してしまうこと。
とはいえ、従業員としては生活の見通しが欲しいので、会社の案内は次のレベル感がちょうど良いです。
対象:産休期間中、一定の条件を満たす場合に支給される
概算の目安:だいたい「標準報酬(社会保険の等級)」を基準に2/3程度が目安です
流れ:必要書類をそろえて申請 → 審査 → 支給
4. ここが大事:産休中は社会保険料が免除される(会社負担分も)
見落とされやすいのが、産休中の社会保険料の免除です。
産前産後休業の期間中は、申請(手続き)により、健康保険・厚生年金保険の保険料が免除になります。ポイントは次の2つ。
従業員負担分だけでなく、会社負担分も免除される
給与がゼロでも、免除の手続きをしていないと“免除にならない”扱いになることがあるため、忘れないことが重要
実務では、「給与が出てない=保険料も自動的にゼロ」と思い込んでしまい、あとで追徴や訂正になるケースがあります。産休に入ることが決まったら、早めに手続きの準備をしておくのが安全です。
5. 最後に:会社が確認すべき「これだけ3点」
個別相談が来たら、この3点を押さえれば、話が前に進みます。
出産予定日(分かれば出産日)
産休に入りたい日・復帰の見込み(ざっくりでOK)
給与の支払い方針(会社として支給予定があるか)
この3点があれば、産休期間の見立て、出産手当金の案内、社保免除の準備まで、会社側のやることが整理できます。
次回予告
次回は、育児休業と出生後休業(産後パパ育休)、そして育休給付・支援給付金など、制度が増えても会社の運用をシンプルに回すコツをまとめます。

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