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二以上事業所勤務者とは?社会保険料の按分と実務上の注意点

執筆者の写真: あたけ
あたけ
10 分前
読了時間: 3分

複数の会社で働いている方の中には、2か所以上の事業所で社会保険の加入要件を満たすケースがあります。


たとえば、A社で役員として勤務しながら、B社でも役員報酬や給与を受けており、どちらの会社でも健康保険・厚生年金保険の被保険者となる場合です。


このような場合、社会保険上は「二以上事業所勤務者」として取り扱われます。


二以上事業所勤務者に該当すると、それぞれの会社で通常どおり社会保険料を計算するわけではありません。


まず、各事業所で受けている報酬月額を合算し、その合計額をもとに標準報酬月額を決定します。


そのうえで、決定した社会保険料を各事業所の報酬額の割合に応じて按分し、A社分・B社分としてそれぞれの会社に通知されます。


たとえば、A社で30万円、B社で10万円の報酬を受けている場合は、合計40万円をもとに標準報酬月額を決定し、その保険料を30万円対10万円の割合で各社に振り分けるイメージです。


そのため、各会社が通常の保険料額表だけを見て社会保険料を控除すると、正しい金額にならない場合があります。

日本年金機構から届く按分後の保険料通知を確認し、その金額を給与計算へ反映する必要があります。


二以上事業所勤務者になった場合には、本人が「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出し、どちらの事業所を選択事業所とするかを届け出ます。


その後、日本年金機構から各事業所へ按分後の保険料額が通知されるため、給与計算ではその通知額に基づいて本人負担分を控除していくことになります。


ここで注意したいのが、実務が通常の社会保険加入よりも複雑になる点です。


二以上勤務の開始や終了、どちらかの会社での報酬変更、算定基礎届、月額変更届などがあると、複数事業所の情報をもとに保険料が再計算されることがあります。


届出が遅れた場合には、過去に遡って保険料が再計算され、追加徴収や過払い分の充当・還付が発生することもあります。


また、二以上勤務者であるにもかかわらず、各社がそれぞれ通常の被保険者として算定基礎届を提出してしまうなど、届出方法を誤ると、後から訂正が必要になることもあります。


複数の会社で社会保険に加入する可能性がある場合には、


・二以上事業所勤務者に該当するか

・所属選択・二以上事業所勤務届が提出されているか

・給与計算で按分後の保険料を使用しているか

・算定基礎届や月額変更届が適切に処理されているか


を確認しておくことが重要です。


特に役員が複数法人から報酬を受けているケースでは、二以上事業所勤務者に該当することがあります。


通常の社会保険手続きよりも事務処理が複雑になりやすいため、複数法人から報酬を受けることになった場合は、早めに社会保険の取扱いを確認しておくと安心です。

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