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令和8年8月から高額療養費の自己負担上限額が変更されます

  • 執筆者の写真: あたけ
    あたけ
  • 8月3日
  • 読了時間: 5分

病気やけがにより医療費が高額になった場合、1か月の窓口負担を一定額までに抑える「高額療養費制度」があります。


この高額療養費制度について、令和8年8月診療分から、所得区分ごとの自己負担上限額が見直されます。


今回の見直しでは、月ごとの自己負担上限額がおおむね引き上げられるため、医療費が高額になった場合の個人負担は、現在より増えることになります。一方で、長期にわたり高額な治療を受ける方に配慮し、令和8年8月からは新たに「年間上限額」が設けられます。


【高額療養費制度とは】

高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、1か月単位で自己負担上限額を超えた場合に、その超過分が支給される制度です。


上限額は一律ではなく、年齢や所得区分によって異なります。また、過去12か月以内に3回以上高額療養費の支給を受け、4回目以降に該当する場合は、「多数回該当」として、通常より低い上限額が適用されます。

※入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療や自由診療などの費用は、高額療養費制度の対象にはなりません。


★新たに”年間上限”が設けられます。


70歳未満の自己負担上限額

会社の健康保険に加入している70歳未満の方については、標準報酬月額に応じて区分が決まります。

現行と令和8年8月以降の比較

適用

区分

70歳未満

年収目安

健康保険の標準報酬月額

【現行】世帯ごと

月額上限(入院+外来) 〈多数該当〉

【R8.8~】世帯ごと

月額上限(入院+外来)

NEW!

入院+外来

【年間上限】

世帯ごと

区分ア

約1,160万円~

83万円以上

252,600円+(医療費-842,000円)×1%

〈140,100円〉

270,300円+(医療費-901,000円)×1% 〈140,100円〉

1,680,000円

区分イ

約770万円~約1,160万円

53万円~

79万円

167,400円+(医療費-558,000円)×1%

〈93,000円〉

179,100円+(医療費-597,000円)×1% 〈93,000円〉

1,110,000円

区分ウ

約370万円~約770万円

28万円~

50万円

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

〈44,400円〉

85,800円+(医療費-286,000円)×1% 〈44,400円〉

530,000円

区分エ

~約370万円

26万円以下

57,600円

〈44,400円〉

61,500円 〈44,000円*1〉

530,000円*2

区分オ

住民税非課税世帯

35,400円

〈24,600円〉

36,900円 〈24,600円〉

290,000円

*1・・・年収約200万円未満である場合は、令和9年8月以降、多数該当の金額が引き下がる(44,400円→34,500円)。

*2・・・年収約200万円未満であることが確認できた場合は年間上限41万円を適用し、R9.8以降に償還払い。


※「医療費」とは、窓口で支払う3割負担額ではなく、保険診療にかかった医療費の総額です。

※多数回該当の上限額は、令和8年8月時点では現行額から変更されません。

※年収はあくまで目安であり、会社員等の健康保険では標準報酬月額によって区分されます。


例えば、一般的な所得区分である標準報酬月額28万円から50万円の方は、基本となる上限額が80,100円から85,800円へ、5,700円引き上げられます。


70歳以上の自己負担上限額

70歳以上の方についても、所得区分ごとに上限額が変更されます。

所得区分

【現行】

〈多数該当〉

【R8.8~】

〈多数該当〉

現役並み所得Ⅲ・年収約1,160万円以上

252,600円+(医療費-842,000円)×1%

〈140,100円〉

270,300円+(医療費-901,000円)×1%

〈140,100円〉

現役並み所得Ⅱ・年収約770万円~約1,160万円

167,400円+(医療費-558,000円)×1%

〈93,000円〉

179,100円+(医療費-597,000円)×1%

〈93,000円〉

現役並み所得Ⅰ・年収約370万円~約770万円

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

〈44,400円〉

85,800円+(医療費-286,000円)×1%

〈44,400円〉

一般・年収約370万円以下

57,600円

〈24,600円〉

61,500円

〈24,600円〉

住民税非課税

24,600円

〈ー〉

25,700円

〈24,600円〉

一定所得以下

(年金収入80万円以下など)

15,000円

〈ー〉

15,700円 〈ー〉


70歳以上の外来上限額

所得区分

【現行】

【R8.8~】

一般・年収約370万円以下

月18,000円・年間144,000円

月22,000円・年間216,000円

住民税非課税

月8,000円

月11,000円・年間96,000円

一定所得以下

(年金収入80万円以下など)

月8,000円

月8,000円


マイナ保険証なら限度額適用認定証の事前申請が原則不要

高額な入院や治療が予定されている場合、従来は加入している健康保険へ「限度額適用認定証」を申請し、医療機関の窓口に提示する方法が一般的でした。


しかし、健康保険証としての利用登録をしたマイナンバーカード、いわゆる『マイナ保険証』をオンライン資格確認に対応した医療機関や薬局で利用すれば、限度額適用認定証を事前に申請・提示しなくても、窓口での支払いを自己負担上限額までに抑えることができます。


受付時には、カードリーダーで「限度額情報の提供」に同意する必要があります。


マイナ保険証を利用しない場合や、受診する医療機関がオンライン資格確認に対応していない場合などは、従来どおり限度額適用認定証の申請が必要となることがあります。


また、認定証を利用せず、窓口でいったん上限額を超える医療費を支払った場合には、後日、加入している健康保険へ高額療養費の支給申請を行うことになります。


まとめ

令和8年8月から、高額療養費制度の月ごとの自己負担上限額が変更されます。


多くの所得区分で上限額が引き上げられるため、医療費が高額になった月の自己負担は、現在より増える可能性があります。その一方で、新たに年間上限額が設けられ、長期にわたり高額な治療を受ける方への配慮も行われます。


入院や高額な治療を予定している方は、ご自身がどの所得区分に該当するか、あらかじめ確認しておくと安心です。


また、マイナ保険証を利用すれば、限度額適用認定証を事前に申請しなくても、原則として窓口で自己負担上限額が適用されます。急な入院時にも利用できるため、健康保険証としての利用登録や、医療機関での利用方法を確認しておきましょう。


※本記事は令和8年7月時点の制度内容をもとに作成しています。今後、施行に伴う取扱いや申請方法等が変更される場合があります。


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